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「さすらい人の夜の歌」
(ゲーテ原作/ハァモニィベル跳訳詩)
山は死んだように眠っている
樹々も呼吸を止めたまま、ピクリともしない
頬を撫でながら過ぎていく時の流れすら もう
どこか遠くへ消え失せてしまっている今夜
瞼を閉じてしまえば ほら すぐにでも
やわらかく凍りついた鳥たちの
やすらいだ夢の
軀が一斉に
飛び立つ姿が見えるだろう
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《「蝶としゃぼん玉」10月.2017 テーマ「旅」》
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