人はいつか死ぬ

‪駅を何度も通り越して走った。息が切れてもなお走り続けた。肺に流れ込む酸素は二酸化炭素となり空気に混ざり、大気を汚していく。ソールの減ったスニーカーはもう捨てた。目の奥で火花が散り、けたたましい音で鳴り響く遊園地の逆走するメリーゴーランドが脳で揺れる。静脈に流し込んだ大量のコカインは全身の毛細血管を辿って隅々まで行き渡り俺の精神を覚醒させる。頭の中で足を止めるなと誰かが囁き続ける。俺は目にも留まらぬ速さで早朝の滑走路を駆け、この世界で二番目に小さい星になった‬


自由詩Copyright 人はいつか死ぬ 2017-09-30 02:04:03
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