初秋に詩を促され
ひだかたけし

緑の香を乗せた風が
涼しく撫でる 私の腕を
揺れ動く木漏れ日が
温かく照らす 私の指先を

不思議なことだ

こうして静かな朝を迎えられること
目の痛みも今日は不思議と収まって
柔らかな陽射しに照り映える木々の緑を
嬉しくはっきりと見入っている自分が居る

「初秋到来せり、我此処に在り」

のどかに真剣にそう一人ごち
私は独り公園のベンチで
残りの缶コーヒーをゆっくりと飲み干した


自由詩 初秋に詩を促され Copyright ひだかたけし 2017-09-29 12:49:01
notebook Home