ジニーが生きていた
Lucy


玄関前から姿を消して
死んだと思っていたジニーは
台風が去って
ほとぼりも冷めたころ
ウッドデッキの隅に見えない糸を張っていた
風よけに集めておいたプランターを
少し動かそうかと身をかがめた私の額に
まんまと引っかかるぐらいの位置に
すんでのところで気配に気づき
さっと身を引くと
ちょうど手にしていた花切狭で
一本見えた糸をちょん切ってやった
すると逃げも隠れもせずに
間近に現れたもう一本の糸にぶら下がり
じたばたしているのはジニーおまえなの?
こがらな体に細い縞模様は紛れもなく
ジニー
でもあんた少し太ったんじゃない?



自由詩 ジニーが生きていた Copyright Lucy 2017-09-28 21:17:45
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