さぶらい
tem8744

彼女は千代紙
彼女は縮緬
そして
白磁のような

ただガブリエルが
来たりて告げる
彼女は縞馬だ

私は躊躇い
立ち止まる

私が彼女を愛して
彼女が私の精を受ければ
彼女は縞馬の子を産むのだ

私は刀を抜いて
目の前の女を斬った

再びガブリエル来たりて
彼女はお前を選んでいたのに
と告げるのだ
娘ほど年の離れた処女を
お前は殺め…


私の足元には
一頭の雌の縞馬の死体
一頭の子を宿して

そしてさらには
得体の知れない毛に覆われた
黒い死体


自由詩 さぶらい Copyright tem8744 2017-09-27 00:51:17
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