3000日目の黒い花嫁衣装
水戸 うしん

人通り。車通り。
消え去った、午前2時と12分

2人の間に秋風が吹き抜けた。


ぶどう味の紫煙と一緒に
マンションの裏に座る。

ボンヤリ見た先にハチワレが歩く。
のんびり、軽やかに。
心はどっしりと重いから、
目先だけ軽くなった気がした。

時折くる車の、ヘッドライトに
視界を潰され、心で潰す。
苛立っている。秋の夜長に、

ブルース。が似合う。

そんな小洒落たもんはいらない。


私が悪いのか。お前が悪いんだ。

俺は、決めたから。
俺は、寂しかった。
俺が、どんな思いだったか。
俺が、お前の為に。
俺は、何だったんだ。

もう。俺。
頭が オカシク ナリソウダ

8月に吐いた。身勝手。

俺は決めたから。
何を言われても。
俺が決めたから。

ぶどう味が鉄味に変わった。
紫煙は血煙。

動くコロッケ。は、要らない。
捨てる気だ。

動くコロッケ。は、渡さない。
引き取るに決まってる。

もう十分だ。
紅と緑をぐちゃぐちゃに混ぜた
そんな色ノ気分。

ドブに捨てた3000日、
と俺は言ってやった。


傷つくなんて、知らない。


俺は強者。
弱者を苛め、再起不能にする。

お前には行く宛も。
頼る身内も。友人もいない。
すべて奪ってやった。
さげすみの笑い。をやる。
何もやらない、責任とか面倒。



浮ついて遊んだ。だろ。
オ マ エ。

初めて宇宙人だと気付いた。
ナゼ コノホシニ イルノ


幸せになってほしい、
だけど。心配で仕方ない、


弱者を散々切りつけたのに。
強者はなぜ泣くのか。

やっぱり宇宙人。
ドコカラ キタノ

赤道線の下で着た白い花嫁衣装。

3000日後。

赤道線の上で黒い花嫁衣装に着替えよう。


自由詩 3000日目の黒い花嫁衣装 Copyright 水戸 うしん 2017-09-26 04:04:19
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