天使たちが持ち帰る新しい空気は
私の心をざわつかせる
古ぼけた家と埃まみれの家具
かび臭い部屋を吹き飛ばしてしまいたい
私もまだまだ若いつもりで
飛び出そうとしたら溝に落ちた
年老いてしまったら新しいことには不向きで
過去ばかりを思い出し
思い出だけを語るなんて決めつけないでもらいたいね

天使たちが持ち帰る新しい空気を
私は胸いっぱい吸い込むけれど
全然満たされることはなくて
自分の足で歩きたいと思ってしまう
無理だと決めつけられるのが気に入らなくて
飛び出してはみるけど
たちまち階段から転げ落ちて嘲笑の的になる
年相応の生き方をしなさいと
天使たちに諫められても
私自身で新しい空気を持ち帰りたい
過去よりも未来を思い描いていたい

ほんの僅かな時間が貴重品だと気付いて
自分がもう若くはないのだと思い知らされる
大人の常識に捕らわれて
安楽椅子で編み物でもしていれば
誰もが満足するのかもしれないけれど
ほんの少しだけアクティブに
自分の力で新しい空気を吸いたい