なんてことのない
秋葉竹

あーあ
こころが汚れるのっていやだなぁ。

土曜の休みには
夫婦でよく来る甘味カフェで
ふたりカキ氷を食べて
彼女はマンゴー
僕は宇治金時

白玉をあげて
マンゴーを一口もらうと
栗の方がいいんだけど と
へー、栗も食べるんだ へー。

いいよ いいよ

とあげたあと

な 優しいやろ


本当に優しい人は
自分のこと
優しいていわへんよね

といつものセリフ。

いや 言わないとわからないこと
世の中にはあるよね

とこちらもいつものかえしで。

自分のぶんはさっさと食べ終わり
あんことかクリームとか抹茶にまで
手を出してくるから
負けまい 僕も早く と頑張ると
ーーー頭が痛い

あたまがツーンてする っていうと

それはキーンていうよね

それはどっちでもいいのとちがう
頭が痛いっていうだけの話やし

抹茶にも飽きたら

彼女がタバコを吸うために
店の外に出て行って

休みの午後。

彼女をたいせつと思ったからかな

あーあ
こころが汚れるのっていやだなぁ。

ふとね、
思ったのは、
これからもふたりで生きて行こうと思ったからかな。


自由詩 なんてことのない Copyright 秋葉竹 2017-09-23 19:27:06
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