紅い誘い
kino125

鏡を割る時
狂った時計が刻を打つ

紅く灯る火と光
揺れて揺れて 気怠い顔を照らす


忘れたはずの 愛に 囚われの心が騒ぐ

生きたい 生きていたい

紅い眼の私は 誰に癒されたいのか
慣れた苦痛がまた背後に迫る

爪をたて正気を保つ 頬の傷
終わらない痛みは
終わらない哀しみ

割れた鏡を喉元に近付け
卑しく微笑み
紅く濡れていく

あなたを見つめながら


自由詩 紅い誘い Copyright kino125 2017-09-23 01:05:26
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