【 知恵遅れ者 】
豊嶋祐匠










俺には

社会から

知恵遅れと

呼ばれる兄弟が居て




世の中には

そんなふうに

呼び笑う者や


むしろ


そう呼ばれる者達と

共に会社を起こす者も居る









ある所には


知恵遅れを

売り物にしていると

吐く者が居れば



生まれ持った

知恵を活かし切る

在るがままが

素晴らしいと言う者も居る









これは

善悪でも

好き嫌いでも無く



ただ

この世に授かった者が

当たり前の人生を生き切ること



結果は全て

彼らの転生に表れるだけで



この詩を書く

俺すら

立ち入ることはできない



さらに言えば

この俺も

知恵遅れ者なのかも知れない









例えば



この日本に生まれ

日本国籍を持つ者の

納税の意義が薄れている中で



それでも

国が

納税を迫るならば



俺は

この知恵遅れと

呼ばれた者と生きるために



幾らでも

血税を払いたいと思う









知恵の基準が

何処にあるのかと



問うことを

俺は必要としていない



誰からも

教え聞かされることも望まない









この俺が

福祉だ

ボランティアだと

決めつけられることも不愉快だ









俺が

誰と共に社会に生き



誰と共に

納得のいく人生を

生きて行きたいのか



ただそれを

望んでいるだけのこと









知恵の回る

利口なヤツらと



利口を

雄弁に語るために

人を殺しまくる世界



そんなヤツらの為に

俺の

納税義務が、ある筈はない









少なくとも

俺は

この冷め切った社会で



知恵遅れと呼ばれた者や

無用な罪を背負う

その母親にだけは



利口過ぎる

バカな社会に

手出しをさせない努力を

惜しまないつもりだ







その形が

経営であろうと

何であろうと



俺は

全て受け入れ、認めたいと思っている。














未詩・独白 【 知恵遅れ者 】 Copyright 豊嶋祐匠 2005-03-13 16:57:56
notebook Home