新しき夜明け
ヒヤシンス

 
 夕暮れ、時は奏で、美酒に酔う。
 天空のカーテンは降ろされ、夜が舞う。
 見つめる瞳に、内なるものは恐れ、
 夜空の瞬きは、最期の光を大地に落とす。
 崩れかけた古城のほとりでは、子供達が微笑みの聖歌を歌い、
 新たな光が生まれ、佇み、消えてゆく。
 清らかな魂は天上へと向かい、喜びの雨が降る。

 遠く山々の稜線は群青色の闇の中、黒く縁どられ、
 中央に眺める木々の葉は、絵画のようにたおやかだ。
 内なるものは喜び勇んで、革命前夜の装いも華やかだ。
 夜会に集まる客人も、互いに命の約束を交わし、今宵の宴を楽しんでいる。
 天命を委ねるものが見つかると涙も見せずに去ってゆく。
 季節は秋だ。木々も色付く。
 めしいた目を持つ男が幸福の予言をする。

 悲しみの向こうに喜びが見え隠れしている。 
 手元に引き寄せるのは自分自身だ。
 信じる力が幸福を呼び寄せる。
 現実を生きるには信じるしかない。
 そうして新たな光が生まれる。
 新しき夜明け。濃紫色の空に金色に輝く太陽が昇る。
 生きよう。爽やかな秋の風に自分の天命を託して。


自由詩 新しき夜明け Copyright ヒヤシンス 2017-09-16 06:19:36
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