人間
花林

生きる事は
何かを誰かを
あやめる事
奪い奪われを
繰り返す事

それに疲れた人達は
ドレッシングだらけにしたり
クジラを守ったり
条件を出したりして
脱出を試みる

全てには手を
伸ばせない私達は
どうあがいても
「人」という名の動物
重ねる実験は
理知的な凶器

どのくらい
甘美が増えても
どのくらい
科学が進んでも
きっと言うセーフな日

子作りのためでなくても
求め合う私達は
動物よりも動物
神様は人間を
もっとも遠く近くした

だからもう
私達の頭身は
動かせない
来ては戻る感情は
今日食べたものを
報告している

目覚めると
また胃が鳴き
当然のように
中へ詰め込む
カードを流せばはじまる
蹴落とし蹴落とされ
夜になれば
抱き抱かれる

食べる=生きる
生きる=食べる
神より動物を
動物より神を
知っているよ

やがて
植物の心も知る


自由詩 人間 Copyright 花林 2017-09-13 20:26:49
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