存在の証明
電光石火

光とともに影が伸びて
大いなる光に包まれながら
影が大きくなっていくのを恐れていた

光には目に見えない強さも含んでいたが
目に見えない影の部分も連れてくる
影におびえ、光に憧れ
一体どこに真の姿があるのかもわからず
ただ立っている

ただ立っているだけなのに
すごいスピードで景色は流れ
時間と速度のはざまで
考える時間も許されない

勝手に流れてたどりついて
現象だけが通りすぎて
ここにある意識は
はっきりと自分を認識しているのに
フワフワとした自分の軽さを
感じないわけにはいかない

一体何が支配しているのか
一体何に支配されているのか
それすらもわからないまま
ただ
時間と速度が過ぎて

みんなはどこにいる
私はここにいる
それを伝える手段が見つからない


意識
すべての五感を研ぎ澄ませてみても
私の存在だけが意味のないように
思えて

影が好きなのか
光が好きなのか
どちらにも愛されていないのか
わからないまま

私の心臓の鼓動だけが
ずっとこの世界で鳴り響いている
生きていてもいいのですか
何かのお役に立てていますか

出ていない声で叫んでみても
誰にも、自分にも響かない

届く日が来るのか
すでに届いているのか
それすらもよくわからない
わからないまま生きることに
意味があるのか
生きているだけで
意味があるのか



自由詩 存在の証明 Copyright 電光石火 2017-09-05 01:12:35
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