白夜
ふるる

ホームできれいな音楽を聴く
レモン色の飲料を飲む
すぐに身体の一部となる

目的地が分かって
最後の挑戦だと手を伸ばす
誰も知らない朝と少年

バスに長時間乗り
黒いシャツを着た人々に会い
植物の話をえんえんとされる

学食で
具のないカレーが売られていて
アイスを喜んで食べる
そばから片付けられる
お茶はセルフでした

電車は地震で18分遅れた
知らないところで
地面が動くことに激しく
耐えている

これからはどこへ行こう
迷う親たち
夕食は買ったお寿司
のほろこびが目立つ
茹でた枝豆の緑で目がくらむ
髪を結んでいる娘の
身体がぐんぐんのびる

夜なのに太陽が沈んでくれない
といって泣きだす少年が
あちこちで音もなく倒れる

とてもやさしい子どもたち
レモンの船に乗り
世界中の白夜を慰めにゆく
自らの不遇を顧みることなく


自由詩 白夜 Copyright ふるる 2017-09-04 21:03:48
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