チャーリー
nm6

散乱が止まらない新宿で
途切れない音量につぶった目の裏の
堆積を泳がせるかなしげな夜に
それは冷えきった街灯の指先だった
視覚のぽつりとした後
肌触りがしびれて遠くをめぐり
ぼくは静かで硬質な立方体の中で
それはそれは畳まれた手のひらの中で
布団の緩やかな午後が日差しに落下する影を
巻き戻して逃げきろうと
記憶の
散乱が止まらない新宿で
途切れない音量につぶった眼の裏の
堆積を泳がせるかなしげな夜に
交差点では風が吹くのか
ぼくの部屋の引戸はかたかたりと鳴る


自由詩 チャーリー Copyright nm6 2005-03-12 23:25:06
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