晩夏の旅人
星丘涙
この部屋には何も聞こえてこない
何も聞こえてこない
物音ひとつ聞こえてこない
静寂に包まれた朝
庭の向日葵は干からびている
こっそりと命の種を宿したまま
死に果てぼろぼろに
静寂に酔いしれて
ひとときの安らぎに憩う
このまま死に埋没してしまうこと
それが理想だろう
夏はくたびれ、過ぎてゆくが
私は潤い安らいでいる
涼しい風が心地よい
ああ 私は幸せ者である
晩夏の優しさに触れて、心癒されている
まるでオアシスに辿り着いた旅人の様に
冷たい水で喉を潤している
自由詩
晩夏の旅人
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星丘涙
2017-09-02 09:49:33
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