九月の雨
st

しらないうちに  
ふくらんでいた

さよならの風船が
やぶれて

きみはとつぜん
 
さよならをいった


夏のあいだじゅう
さがしても 
おいかけても 

たどり着けなかった
虹のかなたにきえた恋

 
つかれはてた 心とからだに
やさしく ふりおりる
つめたい しずく

 
九月の雨に うたれながら
秋にそまりはじめた街を
ひとり歩く


たとえ二度とあえなくても
きみは
いつも僕のそばにいる


いままで生きてきて 
本当によかったとおもった
かけがえのないもの
 

忘れるなんて できるはずがない


たとえ二度とあえなくても






自由詩 九月の雨 Copyright st 2017-08-31 13:08:10
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