一艘の船
星丘涙

草食動物のように穏やかに暮らしていたい
毎日、争うこともなく草を食み
こころ優しきパートナーと愛し合い
満ち足りた人生を送りたい

それなのに、私の遺伝子が肉も欲しがる
あれも欲しい、これも欲しいと
こころを騒がせる

私の前には荒れ狂う大海原が見えて
港には、私が乗るべき一艘の船が用意されている
私は今日も、その船に自ら進んで乗り込んでゆく

愛しい人を残し、船は出て行く



自由詩 一艘の船 Copyright 星丘涙 2017-08-26 17:20:04
notebook Home