夏の日差しが
ヒヤシンス
夏の日差しが音を立てて崩れてゆく。
音楽は鳴り続けていた。
誰かの後ろに隠れているのは誰?
曇天は私の心模様に似ている。
誰かの奏でる音楽に耳を澄ませていた。
時折見せる夏の輝きは水晶のように季節を浄化する。
窓辺で揺蕩う帆前船は私の心だ。
透き通る言の葉が頼りなげにノートに浮かんでいる。
希望と絶望が交互に私の胸へとやって来る。
夢は去って行き、現実が迫り来る。
灯りのともらない部屋で音楽は鳴り止むことがない。
雲よ去れ!夕空の彼方へ。
風よ吹け!季節の巡りを便りに。
夏を取り戻した日差しが静かに秋の到来を待ち侘びている。