海を見ていた
ヒヤシンス


 海を見ていた。
 あなたと私の隔たりをどうしたら埋められるのか考えていた。
 夢にあなたが現れてその時は号泣していたのに
 朝目が覚めてみると枕はほんの少し滲みているばかり。

 海は凪いでいた。
 辺りの静けさがあなたとの確執を浮き彫りにする。
 時は廻っているはずなのに、あの時だけはその場に佇んだままだ。
 ブラックコーヒーの苦さがこの身に沁みる。

 あなたは今何処で何をしているのだろう。
 もう一度あなたに会いたい。
 安らぎの窓辺でもう一度語り合いたい。

 後悔も度を超すと自身への憎しみに変わる。
 それではいけない、と自身の良心が警告する。
 寛大な心を、私は静かに広がる海になりたい。

 
 

 
 


自由詩 海を見ていた Copyright ヒヤシンス 2017-08-19 04:19:48
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