海を見ていた
ヒヤシンス
海を見ていた。
あなたと私の隔たりをどうしたら埋められるのか考えていた。
夢にあなたが現れてその時は号泣していたのに
朝目が覚めてみると枕はほんの少し滲みているばかり。
海は凪いでいた。
辺りの静けさがあなたとの確執を浮き彫りにする。
時は廻っているはずなのに、あの時だけはその場に佇んだままだ。
ブラックコーヒーの苦さがこの身に沁みる。
あなたは今何処で何をしているのだろう。
もう一度あなたに会いたい。
安らぎの窓辺でもう一度語り合いたい。
後悔も度を超すと自身への憎しみに変わる。
それではいけない、と自身の良心が警告する。
寛大な心を、私は静かに広がる海になりたい。