裁きの夜
星丘涙

赤い目に睨まれて
堕ちる男 ひとり
酔ったように
ゆれる蝋燭に照らされ
快楽を貪る

青い舌に舐められた魂は
火の海を転げ回る

苦悩の幕開け
罪に溺れる

エロスが暴走する闇に
ひざまずき泣いた夜明けに
海を渡った

眩しい光の様な闇の中
脳は遊ぶ

汚れの聖さに騙されて
何もかも壊れる
魂も精神も躰も
すべて汚れ果て堕ちてゆく

眠ることも忘れ
終わりのない覚醒は
序章にすぎない

引きずりまわされ
嘲笑と侮辱と怒りの中
酒に酔う

理解できない夜に
墓穴を掘り
葬られた
裸のまま追われたが
裁きの鞭の連打は止まず
放蕩に放蕩を重ね牢獄で眠った





自由詩 裁きの夜 Copyright 星丘涙 2017-08-18 15:00:33
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