バンジー・キャット・ウィズ・スモーキングカタナ
カマキリ

突き動かされるように起き出して
昨日の残り物を食べている
いよいよ目がおかしくなってしまったかと思うほど
朝陽が濃い水色に輝いて
鉄臭いカーテンがそれにならってたなびいている

地獄のような通勤風景だ
ならば
時に下げたくもない頭を下げて
言いたくもない言葉を口に出す我々は
どんな罪でここにいるのだろう

耳鳴りとざわつきと少しの希望を
地下鉄が吹き飛ばして
さらに地下へ地下へ潜っていく
たぶんマントルに一番近づいた頃に
また這い上がって這い上がって
吐き出されていくんだろう

あのガラス張りの喫煙所に
ちいさな女の子が頬をつけて中を覗いている
そのとなりのもっとちいさな男の子は
とってもめんどくさそうに空を仰いでいる




自由詩 バンジー・キャット・ウィズ・スモーキングカタナ Copyright カマキリ 2017-08-17 21:56:22
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