ワンダーランド
為平 澪
「想いが思いのままになる島へ」
そんな語呂合わせと口当たりの良い
チョコレートみたいなフレーズを見つけた、今、
私はわたしに言い訳を巡らせる
※
(いいかよく聞け!
このフレーズにのって流されていったものを
指折り数えてみると 指で数えられるものは
飽きては捨ててきたくせに
触れないものたちを 数えきれないくらい
奪われてきたじゃないか
※
(知らないとは言わせないぞ!
あの時ふらり、フラフラ現れた
チンドン屋のおじちゃんの背中の張り紙、
ピエロの言葉
「想いが思いのままになる島へ」
※
(胡散臭い、から嘘までの距離を
歩いて辿り着いた この島で
とうとうお前は数えることができるたった一つの言い訳を
あっけらかんと 捨てに行く
※
私は目をつむり夢の島へと飛び込んだ
空には流れる飛行機雲
青天の霹靂、と叫んだつもりが
本日も晴天なり、と寝言で飛び起き
靴も履かずに、学校へ
※
(死亡推定時刻は皆無、…彼女は明るくとてもそんな風には…、
え、はい。心なしか、思い込みの激しい一面もありましたけど…、
(お気に毒に。
(何かの思い違いなんじゃないですか、まさか、
(こんな、ことに…、
(そう、重い、マチガイをしでかしましたね…
(困ったものだね、全く、至って遺憾、いかんな、
(困るなあァ、
(いやはや、
(ねえ…、実に、、、
( 、。。。。。。。