ワンダーランド
為平 澪

「想いが思いのままになる島へ」
そんな語呂合わせと口当たりの良い
チョコレートみたいなフレーズを見つけた、今、
私はわたしに言い訳を巡らせる
          ※
(いいかよく聞け!
 このフレーズにのって流されていったものを
 指折り数えてみると 指で数えられるものは
 飽きては捨ててきたくせに
 触れないものたちを 数えきれないくらい
 奪われてきたじゃないか
          ※
(知らないとは言わせないぞ!
 あの時ふらり、フラフラ現れた
 チンドン屋のおじちゃんの背中の張り紙、
 ピエロの言葉
「想いが思いのままになる島へ」
          ※
(胡散臭い、から嘘までの距離を
 歩いて辿り着いた この島で
 とうとうお前は数えることができるたった一つの言い訳を
 あっけらかんと 捨てに行く
          ※
私は目をつむり夢の島へと飛び込んだ
空には流れる飛行機雲
青天の霹靂、と叫んだつもりが
本日も晴天なり、と寝言で飛び起き
靴も履かずに、学校へ 
          ※

(死亡推定時刻は皆無、…彼女は明るくとてもそんな風には…、
 え、はい。心なしか、思い込みの激しい一面もありましたけど…、
                      (お気に毒に。

        (何かの思い違いなんじゃないですか、まさか、
                   (こんな、ことに…、
        (そう、重い、マチガイをしでかしましたね…
        (困ったものだね、全く、至って遺憾、いかんな、 
          (困るなあァ、
            (いやはや、
               (ねえ…、実に、、、
                  ( 、。。。。。。。


自由詩 ワンダーランド Copyright 為平 澪 2017-08-17 09:00:43
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