老猫
星丘涙

蝉の声が響く街

死に場所を求め
ずぶ濡れの野良猫が流離う

痩せた体で
よだれを垂らし
よたよたと歩く

淋しさの中
ひっそりと息絶えるのか

助ける者はない
助ける必要もない
独りきり逝くのだ

哀歌の様な雨音のなか

死に場所を求め
ずぶ濡れの野良猫が流離う



自由詩 老猫 Copyright 星丘涙 2017-08-15 21:20:34
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