これからも
竜野欠伸

たとえ朝を迎える途中であっても
厳しい人生にもある
僕たちの突端ですら
きっと色彩のある
鮮やかな情熱があるだろう
小さな群集として
四つ葉のクローバーが佇む
草原に静かに風が吹いていたあの日から

太陽も月も銀河ですらも
まるで仕事とか家事みたいに
巡り続ける輪廻が
これからも続いてく

あの日を想う口笛が優しい
ある時に忘れ去られたとしても
取り戻す永い記憶には
彼女によって覚えられていた
すでに薄命の母が届けた花瓶とは
そう妻がいつも話す
思春期にある哀しい寂寞
僕たちは小さな花束を
傾けるのだろう

ちょうど僕たちが共に
強く生きることによってのみ
抱きしめることができる
残された命の切実さとして
僕たちは契約の言葉を
真夏の暑さのなかで
運ぶことができるのだろう

いつの間にか気にもせず
幾筋もの涙が流れていたあの日も
すでに遠い昔にも感じる頬の軌跡
きっとまだ妻の瞳に沈む奥底には
まだ静寂なかにある瞬きがある
どれぐらい先まで
未来を描き込める
想い出があるのだろうか
ひたむきな汗による労いですら
もはやそのままにはできはしない
僕たちは誰しもの誕生を祝い
これからも頑張るのだろう

草原にある記憶のひかりと
花冠にある陰影のくらやみのあいだ
それだけが微かな時間として
いつも単純な熱意をひとつずつ
それだけがささやかな空間として
いつも自然な努力をひとつずつ
颯爽として準備する
僕たちは幸せをもとめ
これからも頑張るのだろう

おそらく
頑張ることの意味には
生きることの重さがあり
命を携える言葉がある
僕たちは時を刻み
これからも頑張るのだろう

暮れない夜明け前を待ちながら
薄命でもあった
彼女の母が残した面影が
とても哀しいけれど
永遠の記憶を抱きしめる
揺らぐ髪に花冠をかぶせた
妻が沈黙をしていた夜空には
僕たちは寂寞を満たす
想いを見つけるのだろう
これからも


自由詩 これからも Copyright 竜野欠伸 2017-08-15 16:20:14
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彼女に捧げる愛と感謝の詩集