生者の鎮魂
ただのみきや
雨色の絵具
乾かない涙と癒されない傷のために
散り果てた夏の野の花を
鎮魂に疲れ果てた大地へ捧げる
生者の燃え盛る煉獄へ
死者を捉えて離さない
空砲の宣言と
紙で織られた翼のために
憤激と哀悼の色邑
踏みつけられた菖蒲と
なめくじの饐えた匂い
雨色の絵具
乾かない涙と癒されない傷のために
鎮火しない焦土のために
繰り返し読み上げられ
火にくべられる非在の名に
添えられる生者の怨念を清めたまえ
《生者の鎮魂:2017年8月14日》
自由詩
生者の鎮魂
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ただのみきや
2017-08-14 18:00:19
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