今日の午前に
ひだかたけし

ああ なんていい風だろう

みんみん蝉が緑の木立に鳴いて
大きな鳥が素早く飛び立ち
鬱々とした気分が
涼やかに洗い落とされていく

この高曇りの八月十一日

[目を閉じれば未だ
橙の光彩のなかを
ふわふわと海月が
泳ぎ漂い溶解する]

ああ なんていう日だろう

疼痛は相変わらず眼底を抉り
立ち上がれば体は鉛だ
けれども、
今日を生きる準備は整った

この夏の合間の秋風に




自由詩 今日の午前に Copyright ひだかたけし 2017-08-11 13:18:35
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