花火
忍野水香
束の間の夏を慈しむように
打ち上げ花火は鮮やかに咲き乱れ
七夕の夜を彩る
一つ 花が咲く度に
一つ 想いが散ってゆく
七夕祭りの熱い夜に
やるせない想いを
花火に乗せて飛ばしましょうか
一歩 進んでは後ろを振り返り
失くした想い出を探しながら
一人 溜め息をつく
流れ星よ
どうか私に
希望の灯りを
点してください
満天の星に祈りを込め
願いを託した短冊は
ひらひら夜風に揺れている
遠ざかる祭り囃子が
心にせつなく響く
儚い夢のように
北国の短い夏は
もうすぐ終わろうとしています
自由詩
花火
Copyright
忍野水香
2017-08-09 17:54:40
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