運命線
ミナト 螢

音楽を二人で聴いた後の
体に絡まるイヤフォンは糸

白い蜘蛛の巣が巻きつくような
ベストを着た時の窮屈さに
爪を立てるよりも手相を見よう

掌に広がる宇宙の模様
名前を知らない星座のように
運命線を辿れば分かれ道

占いをひとつ信じたとしても
広がる距離の始点と終点で
イヤフォンが届く場所にいられたら
それが僕等の運命線なのだ

緩いカーブを描く糸の螺旋
音楽が伝える熱を探して
耳元を繋ぐ時間が好きだ


自由詩 運命線 Copyright ミナト 螢 2017-08-05 08:58:10
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