向かう先は
坂本瞳子

報われることのない想いは
どこへ向ければいいのだろうか

気持ちばかりが募り
なにもできずにいるけれど
ここでこうしていることに
意味はないのだろうか

大人しくして
我慢を重ねて
息を潜めて
そうしていることが平和なのか

そうではないはずだ
打ちのめされてもいいから
穴の中から出てみたけれど

影を相手に拳を奮っても
決して流血することはなく
痛みを感じることもなく
生を確認する術はなく

喜びなど
遥か遠くの向こうにあるのかと
疑わしく思われ
それでもあちら側へと
今もまたもがいてしまう

這いつくばって
のた打ち回って
諦めわるく
意地を張って
平坦な道には棘を埋めながら
行ってやる


自由詩 向かう先は Copyright 坂本瞳子 2017-07-28 00:33:54
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