人生ごっこ
竜門勇気


暴れ狂う静寂の中
末期の水に溺れて
いつか見た痛みを
遊びだと思えるくらいの
今日は
今日は
晴れ腐る

虫の湧く場所
弦を垂らした井戸
満足を覚えてる
自分の悲鳴を聞きながら眠る

悲劇ごっこを君と
楽しく続けるんだ
朝が来たら眉をひそめて
カーテンをしめる

基本的人権が
くれた最悪の結末
僕らは生きているが
幸福は空の上
今日は
今日は
晴れ腐る

人生ごっこ
人生の真似事
始まって終わるだけの
関わり合いに
忘れることが出来たなら
思い出す時も来るんだろ
思い出せた瞬間から
忘れ始めている
水の中の火花
油面の水滴
生まれて消えること
僕らの共通項

しばらくあってなかったね
ほんとどうでも良かった
でもねと一言僕の言葉は伐られ
俯いたのが最後の記憶
滅多切りになったつま先を見てる

人生ごっこ
進行方向に有る駅
あまりに多すぎて
一周した頃には
白痴になってるよ
わからないことばかりだ
だからいつか幾つか理解するんだろう
それが選べるなら
こんなに寂しい結論は出さなかったんだ
今日の耳は
晴れ腐る
今日の声は
晴れ腐る
今日も心は
澄んで遥かまで
何もかもがよく見える
何もかもが本当によく見える


自由詩 人生ごっこ Copyright 竜門勇気 2017-07-21 22:33:35
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