かんな




帰省した
ほんの気まぐれに
親に顔を見せた
ひどく暑い夏の折
来月に盆を控え
年のはじめに世を去った
祖母を思った
居場所なく
結局仏間でくつろぐと
線香の匂いが
またかすかに祖母との
思い出をよみがえらせる
畳に寝転び
座布団を半折にして枕にした
居心地の良さが
なぜか悔しい気持ちにした
甘えん坊の幼い私が
ほら、そこに
祖母に手を引かれ
歩いている




自由詩Copyright かんな 2017-07-13 13:34:29
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