ふるさと
吉岡ペペロ

サーカス小屋に夕げの香りのあたたかさはないのだ

オレンジと黒の渦巻きのぶん冷たく焦げている

騒々しい星々が夜を乳白色に染め混沌とさせている

父母は夜通し外にいて金と切れ端を数えていた

団員がじぶんのタキシードのチープさを競っていた

銀河は本当のことなのに両手はかすりもしない


笑い声を最初に考えたのは誰だろう

ミッキーマウスを初めて気に入ったのは誰だろう

ピータンを初めて食ったのは誰だろう

ふるさとを思って泣いたのはホモサピエンスが最初なんだろうか


サーカス小屋に夕げの香りのあたたかさはないのだ

オレンジと黒の渦巻きのぶん冷たく焦げている

騒々しい星々が夜を乳白色に染め混沌とさせている

父母は夜通し外にいて金と切れ端を数えていた

団員がじぶんのタキシードのチープさを競っていた

銀河は本当のことなのに両手はかすりもしない








自由詩 ふるさと Copyright 吉岡ペペロ 2017-07-10 20:08:32
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