君が好き

二人で寝そべっているベッドの上で
君が天井に向かって
両腕を伸ばすのに僕は見蕩れていた

親指と人差し指を直角に
天井の電気を
被写体に選んだような格好で
僕に問う
                  「これなーんだ」
     「なんだろう…二丁拳銃?」
                    「ぶっぶ〜」
小学生の頃、田舎からの転校生が
ジャンケンするときに
そんな指をしていたのを思い出す
     「わかった、田舎チョキ」
                    「もぉーっ」
僕も真似してやってみる
君が横で聞いてくる
                 「何かわかった?」
     「わかんない」
                  「カギカッコ!」
僕は体を起こし
その指の形で
隣の君の胸元
服の上から隆起した二箇所を
人差し指でつついた

君はその指を
角に見立てて
牛のマネをしながら
                 「バッファロー!」
なんて言う
そんな君が好き


自由詩 君が好き Copyright  2005-03-11 00:07:21
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