ベータ
藤鈴呼


俯く君の背に つける薬が有るとするならば 
それは何だろう

ぼんやりと考える暇もない程に 吹く強風を潜り抜け
パンフレットの波を越えたら 
花びらに辿り着いた

きっと それとは知らずに 必死で駆け上がる魂が
底には巣食っていた筈だろう

登っても 登っても 頂上が見えぬのは 
きっと 当たり前

視界が拓けぬのは 
闇の中に生きる 証拠なのですけれども
たまには光も診たくなるのと
一人ごちる

寂しい言い訳ばかりを繰り返す若者は 
もう沢山なのだと

無口で足音ばかりを響かせる
雪道がイイ

見た目は真っ白でも わずかに残る汗が
地と 空気と 自らの
存在証明を してくれるかのように

一歩ずつの勇気が 結果を生み出すだなんて
綺麗事に埋もれるつもりなど ないのだ

起きた瞬間の 重い瞼を創造した悪夢
すえたニオイの先に浮かぶ 
灰色の煙の揺らぎ具合が
今 βの形に ゆっくりと変わった

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自由詩 ベータ Copyright 藤鈴呼 2017-07-02 21:47:30
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