遠くでぼくらが病んでいる
青色銀河団

十一月の夕暮れに
落とした財布は
世界の意味にすっかり濡れて
もう使い物にならない
ちょうど
開かれることのない
窓の高さで生きる
ぼくらのように

おとといと昨日と今日の夕焼けの違いについて
ただただ克明に記録された記録映画
その映像が流れるスクリーンから
ぼくらは滴る
ぼくらは滴り零れ
花のように病んでいる

細い傷口を生きてゆく
ぼくらは
ひややかな舌の記憶を
繰り返す


自由詩 遠くでぼくらが病んでいる Copyright 青色銀河団 2003-11-16 00:21:40
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