耳
清花
すべてのものには順番があって
今
を
得るための
過去
ねえあなたのその耳が欲しい
やわらかい
大切に箱にしまったそれは
あなたから切り離されるともうわたしのすきなそれではなくて
意味なんてないんだって知った
放った言葉が悉く闇に落ちるのを
ただ見ながら
かわいそう
返して
なんて言ったって
もうそれは別の生き物で
勝手にどこかへ向かって消えていく
行き止まり
なんて
ない
過去
を
経て
得た
今
あなたをあいしているから
わたしをあいしてください
なんだそれ
自由詩
耳
Copyright
清花
2017-06-29 22:13:23