ミラー
1486 106

信号待ちの交差点で隣に並んだ車を覗き込んだ
ドラマで見たような奇跡を望んでしまっている
ぼうっとした刹那にけたたましいクラクション
少しの間立ち止まることさえ許されないようだ

サイドミラーに映る景色は風のように流れてく
見落としてしまった景色は1つや2つじゃない
振り返ってみてもあの頃に戻ることはできない
分かっていても自分で自分に嘘を吐いてしまう

向かい合っていたはずだった僕達はいつの間に
相手の姿に自分の姿を重ねてしまっていたんだ
だから少しの違いなのに気になって仕方なくて
必要以上に相手に求めすぎてしまったんだろう

コップを落とした破片を拾おうとして血を流す
自分の不注意を棚に上げ怒りをぶつけてしまう
大切にしていた日々と手放してしまった幸せと
記憶の底に残されたものは色褪せることもなく

誰もいない部屋のドアを開けてただいまと呟く
鏡に映る自分の姿は見違えるほど疲れた様子で
冷静になれれば埋めあえたものもきっとあった
最後に壊してしまったのは自分の手だったんだ

向かい合っていたはずだった僕達はいつの間に
相手のことが正反対に見えてしまっていたんだ
今更になって素直な気持ちを届けられたらって
ディスプレイを眺めてみても伝える手段はない

たった一つずれただけで変わってしまったミライ

向かい合っていたはずだった僕達はいつの間に
相手の姿に自分の姿を重ねてしまっていたんだ
だから少しの違いなのに気になって仕方なくて
必要以上に相手に求めすぎてしまったんだろう

向かい合っていたはずだった僕達はいつの間に
相手のことが正反対に見えてしまっていたんだ
今更になって素直な気持ちを届けられたらって
ディスプレイを眺めてみても伝える手段はない

向かい合っていたはずだった僕達はいつの間に
相手のことばかりを見て自分自身を省みもせず
笑って許すことができたら相手も応えてくれた
やっと答え見付けたのに何も変えられないんだ

向かい合っていたはずだった僕達はいつの間に


自由詩 ミラー Copyright 1486 106 2017-06-27 20:17:49
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