蛇が寝るまで
無地
ミニカーをコマ撮り 空から滴る雨 家の屋根は紺、茶、赤
線路はとぐろを巻く ずるりと地球を這う
次々に人を丸呑みした
黒い煙が巻く ぐるりとわたしを囲う
心にもない言葉を吐く 生きると誰かを失う
電柱の行列 茂る緑は空気を揺する 川の上を渡る橋
線路は鎌首をもたげる ぬるりと地球を舐める
高い音をたて牙が地面を削る
腹の中で外を眺めてあくびをかみ殺す
鱗を落としながら
柔らかい肉の壁にもたれて
かすかにこぼれる光に触れた
暴れないようになだめすかして
痛くないように優しくして
どろどろに眠くなるまで放っておいて
形にとらわれないかたちになるまで
トンネルの中は黒