誕生 3.11に寄せて
前田ふむふむ
離別すること
それははじまりである
丸い空が
しわがれ声をあげて
許しを乞う
そのとなりで
友はしずかに
そして
激しく雨になる
空がにわかに
なまりを
たくわえてくれば
きみの来歴は
砕かれた壁の
内部に
雨とともに
刻まれるだろう
朝焼けのとき
こわれた水面を
きみを
称える
いくえの書物が埋めている
その紙のうえを
船が出港する
広がる波跡に
ひとはあつまり
ひとは散り
やがて
すこしずつ 足の先から
道ができ
新しい顔をもった
きみは生まれるだろう
自由詩
誕生 3.11に寄せて
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前田ふむふむ
2017-06-19 12:01:36
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