瓦礫 またたき
木立 悟




銀の銛が突き刺さり
青と金でできた腹から
ひまわり 硝子 晴れの日の雨
街の入口の門に散らばる


砕けひろがるものの先に
ちぎれた鉄や鉛があり
多眼の宝石の角度から
言葉のような光を返す


握りしめられ
したたり落ち
聴こえない影
粉の原の揺れ


光の音を泳ぐうち
少しずつ少しずつ剥がれゆき
波のなかの白濁の弓
器の内に濡れる霧の矢


闇が闇に尾を引きながら
何かが汚れるのを待っている
飛沫は飛沫を真似ながら
わずかに闇を散らしつづける


四ツ足の嵐が地を歩き
誰もいない街を洗う
冬の顔のひとつが夜を向き
砕けひろがるまたたきを視る


雪は森に頬を押し当て
倒れた木々は径へと変わり
岩の上の新たな門
新たな風を導いてゆく



























自由詩 瓦礫 またたき Copyright 木立 悟 2017-06-17 00:40:56
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