【 プラットホーム 】
豊嶋祐匠













プラットホームの、長さは

その街に住む

愛の数で決まっている















たとえ

小さな駅であっても




最終時刻になる頃

別れのドラマが始まる




走り出す列車が

押し出すように

ふたりの涙が、込み上げて来る











もう

これ以上、愛する人を

引き止めることはできない




プラットホームの

端っこで

うな垂れる愛にできるのは




そう

なぐさめて上げることだけ


























大きな街にも

小さな町にも

離れられない愛がある





それはどれも





けして

何処までも

付いては行けない、愛














プラットホームの、長さというのは














そんな愛たちが

少しでも




列車を

追い駆けて

行けるだけの長さに、決まっているのです。















未詩・独白 【 プラットホーム 】 Copyright 豊嶋祐匠 2005-03-10 03:32:04
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