隣で女が寝ている
星丘涙

いつもの夜
隣で女が寝息をたてている

わたしを知り尽くした女
何を夢見ているのか
寝返りをうち
傍らにころがる

互いの心の鍵を持ち合わせ
ふたりはひとつ
女が逝くときは
私の心も逝くとき

苦労をかけた
大切にしなければと
そっと頬をなでる

ながい時を経て熟成された愛
闇にとけるように
寝息もひとつとなる

いつもの夜
隣で女が寝息をたてている



自由詩 隣で女が寝ている Copyright 星丘涙 2017-06-14 19:04:37
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