夢現の狭間で
藤鈴呼

目の前の機械は 未だ動くのに
危険に晒される脅威と 不愉快さだけが
増大していく

こんな機会は滅多にないのだから
十二分に楽しんでおかなきゃ損・ソン!と
君は背中を押すけれど 瞳は白んでいる

泡立ててしまえば ミキサーなどなくったって
不安な心持ちごと
撹拌されるものでしょうか

夢現の狭間で 小さな光を感じ
トンネルを抜けたのだと 喜んだのも束の間
覚束ない足跡だけが響くから
眠りの続きを 堪能できない

異国情緒あふれる雰囲気 
それだけで 光が華麗に歪んで行く

固まっているから
普段 一粒一粒には 意識が届かないけれど 

ふとした瞬間に 
その存在が 愛おしくなるのは 
砂糖の粒も 雪の結晶も 
きっと おなじ

小さな粒が 紛れ込んだら
キーを押せなくなってしまうんです
小人は言う

あなたにとっては 踏み潰せる問題
わたしにとっては 乗り越えられぬ大きな岩

取り除くには 何が必要?
スコップじゃ足りない ダンプは見えない
もう春だから グレーダーも隠れてしまった

ここに 大型のミキサーがあれば良かったのに
鋼のような歯車と螺子と鋸で
どうにか乗り切るにはは
ちょっと 固すぎるから

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自由詩 夢現の狭間で Copyright 藤鈴呼 2017-06-13 09:43:50
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