絶望と黒
星丘涙

黒い
ただ黒い
街灯りを塗りつぶし
漆黒の闇が広がる
欲望が
絶望が渦巻いている
烏が黒い翼を広げ
希望の光を覆う
闇はただ深い
悲しみの酒場に
独りの男
部屋には
たどり着けない
朝は来ることはなく
空は黒く広がり
闇から闇だ
祈りのような叫び
いや
祈ることもできない
ただ道に倒れる
沈黙
黒の世界は深く
真っ黒に塗りつぶされている
黒猫の瞳だけが光る
絶望の淵に光る


自由詩 絶望と黒 Copyright 星丘涙 2017-06-12 23:00:54
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