過失流失

君がお風呂で
お湯が水になるまで
待っていたことを僕は気づかなかった

君は泣き
水があふれそうなくらい増えていて
そのうち君は水に溶けて
紛れていったのにも気づかなかった

僕はうっかり浴槽の栓を抜き
冷たくなった水ごと君を流してしまった

今頃気づいて
どうすればいいのか焦り始める

君を取り戻すためには
どれほどの努力が必要だろうか


自由詩 過失流失 Copyright  2005-03-10 00:44:17
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