晴天のそれ
坂本瞳子
翼もがれて堕ちてゆく
なだらかに弧を描きながら
緩やかな速度で
痛みを覚えるために
気を失うことはなく
流血も軽やかに
飛沫を放つこともなく
身を捩ることも捻ることもできず
嗚咽さえ上げることなく
雲一つない青空の下
陽の光が容赦なく射る
血に塗れた白い羽毛の塊は
いまもなお堕ち続ける
自由詩
晴天のそれ
Copyright
坂本瞳子
2017-06-07 00:59:21