想像のピント
黒髪

想像のピントを合わせたい
白鳥のような美しいものへ思慕を寄せて
栗のようなとげとげしい厳しさへの愛情を思って
ぶれたイメージでは生きている甲斐もないから
失われていくものを保存したい
分かれていた心を一つにまとめたい

子供のころは特別じゃないと思う
どんな境遇でも大切にすること
心の声に耳を傾け
ピントが合って開放される
どれほど美しいだろう
とげとげしい心のあり様から目を外して
きっとすべてが報われる時が来ると思う
生きることに疲れてしまいたくない
全ての苦しさを取り扱えるように
疑いを晴らすことで過去への後ろめたさも良くなるんじゃないか
逃げ場のない世界の中でぐるぐると逃げ回っている
仏様のお姿に後光が照らされる
掌の上
この場で生きこの場で終える
それだって信じるべきこと
時間が見えなくて
生きることを冗談みたいに


自由詩 想像のピント Copyright 黒髪 2017-06-01 22:30:02
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