弔いが欲望を繋ぎ止めれるように
竜門勇気


今夜最強の
煩悩をもって
この街を
ほろぼします

今夜うちに来た時
みしたげるぜ
感情兵器の
ブレイカーを外すとこ

コンビニエンスストアの明かりが消えて
隠れていた生き物の光がとぶ
誘蛾灯の音が消えて
吐息のような気配が世界を支配する

今夜最強の
煩悩をもって
この街を
ほろぼします

今夜うちに居たら
みしてやるよ
感傷兵器が
ヒューズを焼き切り
真空を破壊して
世界を捻り潰すとこ

あたたかい家々の灯りは暗闇に去り
全ての心の反応は止まり
柔らかな声が響く
やめた、だめだ、ここまで来たんだ、ここまで来れたんだ

今夜最強の煩悩を
もってしてそれを奪いに行きます
この街をほろぼしたら
この部屋にかぎをかけます

あたたかい夜の光は束縛を逃れ
星々に向かって糸を引き
静寂で出来たガラスを伝って
朝日は夢の容れ物を照らす

今夜最強の煩悩をもってして
全ての煩悩を消し去ります
不満なら窓辺に
一輪の花を活けてください
弔いが欲望を繋ぎ止めれるように


自由詩 弔いが欲望を繋ぎ止めれるように Copyright 竜門勇気 2017-05-30 11:13:18
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