はるな



石楠花を右に折れ
道なりに進むと
大きな手で盛ったように花の咲く庭がある

かつて愛した日々が
遠くなるごとに輝きを増して
いまではもうかたちを捉えることもできない

それから海へ出て
焼けた手で砂を掘る
墓標を立てるために波をかぞえては
いまだ いまだ と
思いつつも入ることができない
わたしの身体は
性懲りもなくあの庭で枯れつづける



自由詩Copyright はるな 2017-05-22 01:22:29
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